文化財防火デー(26日)を前に、新居浜市黒島2丁目の真言宗明正寺で25日、防火訓練があり、近隣住民や消防団員ら約50人が火災時の文化財搬出手順や通報体制を確認した。
 訓練は市指定文化財を保有する寺院や施設などで毎年実施している。明正寺には県や市指定の有形文化財9点があり、6年ぶり2回目の実施。約200年前まえに住職があんどんを倒したことで本堂や付近の民家19軒を全焼し、貴重な工芸品などを多焼いたという記録が寺に残されており、教訓としている。
 25日は、本堂で起きた火災が強風にあおられ拡大したとの想定で、川崎照空住職(73)が「火事だ」と叫んで訓練を開始。周辺住民らが文化財に見立てた段ボール箱を寺院内から運び出した後、バケツリレーの初期消火に当たった。市北消防署川東分署と地元消防団がタンク車とポンプ車計2台を出動させ放水した。